( 324191 )  2025/09/14 04:05:23  
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田久保眞紀市長(55)は静岡県伊東市議会を解散しましたが、学歴詐称の疑惑は未解決のままで、市長の辞意は撤回されています。

市長は改革への抵抗と闘っていると主張し、今後の市議選や市長選を乗り越えようとしています。

インタビューでは、辞意撤回の理由やメガソーラー建設計画の進捗、そして卒業証書に関する疑惑について質問されましたが、具体的なコメントは控えています。

また、SNSでの批判についても言及し、自身の精神的な状況や今後の政策について考える姿勢を示しています。

市民からの抗議が多い中で、市長は冷静さを保ちながら市政を進める意向を伝えました。

(要約)

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取材に応じる田久保市長(写真は8月13日のインタビュー時に撮影) 

 

静岡県伊東市議会を解散した田久保眞紀市長(55)。だが、市政混乱の原点となった学歴詐称疑惑はまったく解明されていない。一度は表明した辞意を撤回し、自分は“改革への抵抗”と闘っていると主張する田久保市長は、10月の出直し市議選や予想される出直し市長選を乗り越え市長に居続けても捜査対象であることに変わりない。今現在、本人は辞意撤回や疑惑をどう説明するのか、直接聞いてみた。田久保市長の主張を正確に伝えるため、一問一答形式で報じる。  

 

――7月に辞意を撤回した理由として市長が支持者に「市長だけが見られる文書を見て辞めるわけにはいかないと考え直した」と説明しているとの話があります(♯21)。そのような文書があるのですか? 

 

市長は決裁をしますから、さまざまな行政文書に目を通しますし、指示をすれば持ってきていただけます。そういった意味ではその通りではあるかと思いますけど。 

 

――問題だと思うものがあったのですか? 

 

きちんと確定した事実にならないと表には出せませんし、業務上知った事実をどこまで公開できるのかも非常に難しい問題だと思うので、事実と確認できるまでは安易に話をするつもりはないです。 

 

(公約である)新図書館の建設ストップや私が10年来取り組んできたメガソーラーの設置反対問題は自分の悲願でもあるので、そういう立場でこれから市政は動いていきます。そこで利害が対立し、私が市長をやっていれば困る方もいるでしょう。 

 

その辺は今後本当にちゃんと見ていかないといけない。せっかく伊東市民が前に進めたわけですから元に戻るということだけは決して許してはいけない。私の思いのほとんどはそれがすべてですから。 

 

――メガソーラー建設計画は終わったという意見があります。 

 

“終わった”というのがどういう状態を指しているのか。たしかに表面上の工事は止まっていますが(工事停止につながる行政措置の撤回を求める業者からの)裁判は続いています。 

 

少なくとも私の中で終わったというのは、手をつけることが一切できなくなる状態です。例えば出ている許可が全部なくなるとか不正な金の動きなしに事業者さんの意志で完全に事業を撤退していただくということですね。 

 

※伊豆高原メガソーラー計画について伊東市はホームページにて【当該事業の実施につきましては、関係法令の許可が必要となりますが、事業者は開発に必要なすべての許可を取得している状況ではないため、現状、工事の進捗は見られません。また、近年、事業者からの連絡もございません】と現状では工事の開発を行うことはできないと説明している 

 

 

――9月9日に偽造私文書等行使の疑いで刑事告発されましたが、捜査が始まれば、卒業証書とされるものを警察に提出しますか? 

 

百条委(市議会の調査特別委員会)の結論で刑事告発に入っているので、告発にかかる事項は私からのコメントは控えている状況です。捜査機関の尊重もありますし。 

 

――卒業証書とされるものは今も(弁護士事務所の)金庫に入っているのですか? 

 

特に変わりはないです。 

 

――卒業証書の偽造が証明されるなどして有罪になったときの進退を考えていますか? 

 

考えてないです。 

 

――私文書偽造などはやってないということですか? 

 

そのシナリオの想定は自分の中ではしていないですけども。 

 

――“卒業証書”がすでに処分されたのではないかとの話がありますが。 

 

あはははは。いやいや。 

 

――今後処分するのではないか、との話もあります。 

 

ほう。なんで? 

 

――捜査が始まるからという理由で。 

 

いや、全然そんなこと考えてなかったです。というか今の状態のままです。粛々と本当に対応していこうと思っていましたし、自分でもわかる範囲のことは知りたいので教えていただける範囲で大学にも引き続き照会はするんですけど。 

 

――市長がSNSで発信すると叩かれる状況が続いています。どう思っていますか? 

 

叩かれるのは仕方ないという部分もあるんですけど。ただ時代の変化というか、自分で発信できる時代になりましたから。よくはわからないですけど自分で発信ができる時代になったというのはすごく大きいですよね。 

 

――市長の発信に対してのコメントは見ていますか? 

 

全部一応見ています。あまりにも人格否定とかそういったコメントについては表示しないように処置させていただくこともありますけど、基本的にはいろいろな意見があるほうがいいのかなって思っています。 

 

――コメントを見てメンタルをやられることはないのですか? 

 

というか逆に見ていると傾向がわかるというか。だから私はSNSのコメントをわりと見ていますね。 

 

 ――「市長は嘘ついているからすぐ辞めたほうがいい」というものもありますが。 

 

私は使命感をもって今やってて。それで自分の、ある意味不注意で起きた不祥事ですけども、それについてのコメントですから冷静な目線で見ています。 

 

今回自分がそういう立場になって気づいたのですが、これが例えば一般の人だったらやっぱり辛いだろうなっていうことはすごく感じました。そういうときには周りで気にして手を差し伸べる人がいないと本当に精神的にまいってしまったり、命を絶ってしまったりということに繋がるのかなって感じることはすごくあります。 

 

今はそこまで手が回らない状況ですが、こういう社会問題も自分の政策の中に気にしていきたいなと思うようになりました。辛い思いしている人がいるんだろうなっていうのは、逆に今回自分が当事者になって改めてわかりました。 

 

――お昼に市役所から帰ったりするなど、市長は公務をしていないとの指摘が記者会見でも出ています。 

 

ほぼほぼ誤解ですね。仕事にはいろんなスタイルの仕事がありますけども、毎日執務の仕事もあるので行っておりますが、執務の机に座ってるだけが首長の仕事ではありませんから。それはどこの首長さんもそうですから。 

 

その辺は理解がされづらいから発信をしなきゃいけないと思って発信をするのですが、そうすると今度はその発信についても適切か適切じゃないかって言われるというところでは、本当に大変な仕事だなって思います。 

 

だからといってすべてをやめてしまうんじゃなくて、やっぱり皆さんに知っていただくということが大事かなと思いますし。これで興味をもっていただけるなら発信すべきことは発信していきたいですね。 

 

※ 

 

市議全員が政敵となった市議会を解散した翌11日、市役所に寄せられた抗議の電話やメールの累積数は1万を超えた。「さすがに市長は追い詰められているのでは」といった声が地元では出ている。だが本人の様子はそれとは真逆といえるほど。混沌とした伊東市の行く末はいかに−−。 

 

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

 

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