( 324781 )  2025/09/16 05:29:41  
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新米の価格が高騰する中、業者とJA(農業協同組合)の間で激しい競争が繰り広げられています。

千葉県木更津産の新米「コシヒカリ」を利用した飲食店では、価格の上昇によりご飯の大盛りに料金が発生するようになりました。

また、道の駅では「盛り放題」のイベントが人気を博しており、観光客が新米を割安で楽しむ姿が見受けられます。

しかし、農家たちは消費者がついてくるか不安を抱えており、コメの高騰は生産に影響を与えています。

JAとの契約価格も上昇し、新米争奪戦はますます激化しています。

(要約)

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All Nippon NewsNetwork(ANN) 

 

コメの平均価格が再び4000円を超えるなか、今、新米を巡って業者とJAの間で熾烈(しれつ)な争奪戦が繰り広げられています。「コメの産地」で起きている異変を取材しました。 

 

■新米「盛り放題」大行列 

 

 ふっくらとして粘り気が強い炊き立ての新米。千葉県木更津産の「コシヒカリ」です。 

 

 地元の農家と契約して新米のご飯を提供する飲食店。コンセプトは“地産地消”です。 

 

 人気のメニューは海の幸が盛りだくさんの定食。ただ、これまでご飯の大盛りは無料だったのが、今月からは有料で110円に。新米の価格高騰が影響しています。 

 

舵輪 野口利一オーナー 

「今季から値段の調整は入って2割から3割値上がりしている。地域のものを使う理由の一つとして、地域の再生産できる価格、農家と正しい適正価格で取引できれば問題はない」 

 

 訪れた人たちは取れたての新米の味をかみ締めます。 

 

埼玉県から来た50代夫婦 

「すごくうれしい」 

「新米が食べられるのはうれしい」 

「偶然だったけど、すごくおいしい。今年、新米初めて。きょう新米買った」 

「直売所で」 

 

 祝日の「道の駅」には新米を求めて朝から多くの観光客が。皆さんのお目当ては新米の「盛り放題」です。 

 

東京から来た夫婦 

「コメ盛り放題を500円でできるので、普通よりも安いので来た」 

 

 1回500円で5合の升に新米が盛り放題。制限時間は1分です。 

 

 東京から来た夫婦が挑戦。50代の妻はパラパラと升の四隅にコメを乗せる作戦に。新米の重さを計ると1キロ以上を500円でゲット。 

 

東京から来た人(50代) 

「いっぱい取れてうれしい」 

「(Q.新米の値段は?)高い。500円で食べられるとうれしい。家に帰っておいしく食べる」 

 

 盛り放題イベントの新米は千葉県のオリジナル品種「粒すけ」です。道の駅では5キロ4860円で売られています。 

 

 1キロあたりは972円なので、500円で1キロを手に入れられれば、およそ半額。 

 

30代の人(横浜から) 

「新米だと値段が高いと思う。これは安い」 

 

 全国のスーパーでのコメの平均価格は6月上旬以来、4000円台に上昇。5キロあたり税込み4155円です。 

 

■過熱する“新米争奪戦”コメ産地で異変? 

 

 青森県内では、銘柄米「はれわたり」の収穫が行われています。JAと契約する農家は、新米の価格高騰を手放しで喜んではいません。 

 

JAと契約 石澤光さん 

「どこまで消費者がついて来てくれるのかが今後、心配。消費者あっての生産者だから食べてもらわないことには、コメが来年作れなくなるのが一番怖い」 

 

 JAなどの集荷団体が農家に一時的に支払う前払い金が今年は全国的に高騰しています。新潟県をはじめ、全国有数のコメどころでは3万円台が続出。去年に比べて約1.5倍から2倍に膨れ上がっています。 

 

 産地では民間業者を含めた新米の熾烈な争奪戦が繰り広げられていました。 

 

JAと契約 石澤光さん 

「概算金だから(民間業者が)その上を出すのが当たり前。結局、業者間で(取引価格が)上がっていく。この米価が正しいと思っていないから、もちろん下がるべきだけど極端に下がりすぎるのが怖い。概算金2万5000円前後で収められる政策が欲しい」 

  

 概算金を決める集荷団体の一つ、「青森県米穀集荷協同組合」の齋藤専務はカメラ取材に応じ、苦しい胸の内を吐露します。 

  

青森県米穀集荷協同組合 齋藤猛専務 

「集荷団体は全農(JA)やうちの組合だけではない。他にも色々コメを扱う人たちがいて、その人たちは2つの団体の価格が出た後、それに上乗せして農家を回る。『うちはこっちより高くする』と」 

  

 こちらの集荷団体では当初、青森県産の「はれわたり」と「まっしぐら」の概算金を去年より1万1000円高い2万6000円に設定していました。 

 

 ところがその後、4000円を上乗せし、3万円の大台に乗せます。その訳は…。 

 

青森県米穀集荷協同組合 齋藤猛専務 

「2万6000円の概算金であれば、また去年の二の舞い。出荷契約している農家の76%しかコメが集まらなかった。後の24%は庭先で消えた。高い方に流れてしまった」 

 

 きっかけは“令和の米騒動”と呼ばれたコメ不足です。 

 

 記録的な猛暑の影響などを受け、去年の夏ごろには店頭に並ぶコメが消えました。その結果、新米の価格競争が起き、JAなどの集荷団体に平年よりもコメが集まらない事態となりました。 

 

青森県米穀集荷協同組合 齋藤猛専務 

「(これまでの)概算金は安すぎたと思う。農家はコメを作るためには燃料も資材も高騰しているなか、我慢してコメを作ってきた。私たち集荷団体も安すぎたのは反省している。再生産できないという金額だったので。農家の人たちに保証ということでまず安心させて、その後、状況を見てまたプラスするなどの手段で今年は」 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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