( 325838 ) 2025/09/20 05:17:10 0 00 日銀は19日、金融緩和の一環で買い入れた上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)の処分の枠組みを決めた。それぞれ年間3300億円程度と50億円程度のペースで売却する。単純計算だとすべて売却するまでに100年以上かかる。市場の混乱を回避するため、時間をかけて少しずつ放出するという大掛かりな構想だ。
19日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、取引時間中の最高値を更新。だが、日銀によるETF売却に関する決定が伝わると下落に転じた。終値は前日比257円62銭安の4万5045円81銭。下落幅は一時、800円を超えた。
日銀のETFの保有残高は3月末時点で約37兆円(簿価ベース)。東京証券取引所のプライム市場全体の時価総額の8%弱を占める。すべて売り切るには、113年かかる計算になる。
日銀は昨年3月、ETFの新規買い入れ停止を決めて以降、処分方法を検討してきた。その過程で日銀は今年7月、2002年から断続的に銀行から買い取り、保有していた株式の売却を市場に混乱をもたらすことなく完遂した。
植田和男総裁は19日の記者会見で「ETFの売却を進める上で有益な知見が蓄積された」と述べ、今回のETF売却もこれに倣った形で実施すると説明した。
市場全体の売買代金に占める売却割合は0・05%。「市場に攪乱(かくらん)的な影響を与えることを極力回避する」(植田氏)規模に抑える。相場急落時には一時停止するなど柔軟な運用を行う方針だ。
日銀が決めたETF処分の枠組みについて、SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「市場に配慮した内容だ」と評価した上で、「実際にはどこかで売却のペースを早める可能性もある」との見解を示した。(米沢文)
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