( 326666 ) 2025/09/23 06:28:15 1 00 韓国のSKグループ会長崔泰源氏は、読売新聞のインタビューで日韓経済の連帯の重要性を強調しました。
(要約) |
( 326668 ) 2025/09/23 06:28:15 0 00 韓国の大手財閥SKグループ会長で、経済団体・大韓商工会議所会長も務める崔泰源氏の読売新聞単独インタビューの要旨は以下の通り。
大阪市で読売新聞の単独インタビューに応じる韓国財閥「SKグループ」の崔泰源会長(15日)=渡辺恭晃撮影
――今年、日韓両国は1965年の国交正常化から60年の節目を迎えた。今後の協力の方向性は。
韓日間の貿易量は大きく増えたが、今後は貿易だけでともに経済成長するのは難しい。韓日経済連帯が必要だ。力を合わせて産業を大きく育てていく。AI(人工知能)や半導体が協力の代表事例となり得る。社会的コストや経済安保にかかる費用も減らせる。米国、欧州連合(EU)、中国に次ぐ世界第4位の経済圏となる。国際社会でルールセッター(標準の主導側)になれる。多くのシナジー(相乗効果)が生まれる。
――韓国政府が「包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)」への加入検討を表明した。
CPTPP加盟も良いが、韓日経済連帯はCPTPPのような緩やかな経済連帯ではなく、EUのような完全な経済統合を指すものだ。5年前から必要性を訴えてきた。最近では賛同者が増えてきた。どうすれば効果的に連帯できるかを議論する時が来たのではないか。
――2期目のトランプ米政権が関税政策などを巡り、各国と交渉を進めている。
世界中で供給網の再編成と通商秩序の変化を引き起こしている。新しい環境に適応する必要がある。韓日は共同で対応していく努力が重要だ。
――韓国・慶州(キョンジュ)で10月31日~11月1日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、参加国・地域の経済界代表らが集う最高経営責任者(CEO)サミットが行われる。CEOサミット議長としてどういう機会にしたいか。
今回のAPECは、多くの国の首脳と多くのCEOが参加し、昨今の保護主義的傾向をどう受け止め、どうビジネス環境を整えるかを議論する場になる。韓日の企業人が一堂に会し、未来の協力について語り合う会議の開催も考えている。
――先端半導体「HBM」(広帯域メモリー)の未来市場をどう見ているか。
HBMだけを見ながらAIの世界を語ることはできない。AIデータセンターで使われるメモリー半導体を総称して「AI半導体」と呼びたい。この分野の需要が爆発的に伸びている。現在、対話型AIサービス「チャットGPT」は(人間の指示や質問に対して結論を導く)リーズニング段階だが、(人間が介入しない自律型の)エージェント段階に進化すれば、さらに多くのメモリーが必要となり、AIのエコシステム(生態系)の活動も増える。HBMだけでなくAIアクセラレーター市場も拡大するだろうし、AIデータセンターへの投資もより大きくなる。
――日本との連携は。
多くの日本企業とAI関連の協力を継続している。日本のNTTとも半導体技術開発に関する議論を進めており、関連プロジェクトにも参加している。「IOWNプロジェクト」に参加し、新規半導体の開発を進めている。半導体製造装置大手の東京エレクトロンなどとも多くの交流を行っており、様々な支援を受けている。SKは環境が整えば、日本により大きな投資を行える。日本に投資する意思は明確に存在している。
――SKハイニックスは半導体大手キオクシアに間接的に投資している。今後の協業計画は。
キオクシアとの協業の意思は強く持っている。現時点では、米投資ファンドのベインキャピタルを通じて間接出資する形で、直接話せる状況ではない。(東京証券取引所のプライム市場への)上場もうまくいき、企業価値が上がっている。構図が変わればより踏み込んだ話ができるだろう。
――韓国・蔚山(ウルサン)でAIデータセンター建設を進めている。
(自国のデータやインフラを使い独自のAI技術を開発、運用する)「ソブリンAI」のインフラの核心にし、アジア太平洋地域のハブを目指す。アジア各地でAIデータセンターの建設が活発化している。韓日共同で海外市場で商機を模索することが可能だ。
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