福岡県警は、無許可でタクシー営業を行っていたとして、工藤会の幹部ら2人を逮捕しました。

逮捕された幹部は他の無職の男に指示を出し、高齢のスナック経営者を無許可で送迎して運賃を得た疑いがあります。

昨年の捜査で押収したメモから、約2年間にわたり月10回程度の営業記録が発見され、運賃設定があったこともわかりました。

しかし、収益は赤字の可能性があり、工藤会の資金源とは考えにくいとのことです。

県警は、この行為が地域への配慮から行われたのではないかとしています。

（要約）

福岡県警本部=福岡市博多区東公園 

　無許可でタクシーを営業する「白タク」をしたとして、福岡県警は22日、指定暴力団工藤会の幹部（55）=北九州市門司区=ら男2人を道路運送法違反（有償運送）容疑で逮捕し、発表した。 

　交通捜査課によると、幹部は2024年9月19日深夜、無職の男=同容疑で逮捕=に指示して、スナックを経営する門司区の70代男性を乗用車に乗せ、無許可で自宅まで走行して運賃を得た疑いがある。 

　県警が昨年、別の詐欺事件で2人を捜査した際、「白タク」の運行記録が記されたメモを押収し、調べを進めていた。 

　メモによると、22年10月から24年11月まで、月約10回ほど白タク営業をしていた形跡があった。 

　運賃は北九州市内の区ごとに設定され、門司区内は1千円、最も高い区で6千円だったという。主な客はスナック経営の男性だが、スナックの客なども運んでいた可能性があるという。 

　同課は「収益的には赤字の可能性がある」とみており、工藤会の資金源になっていたとは考えにくいという。 

　県警幹部の一人は「地域の面倒を見る意味合いが強かったのでは」と話す。 

朝日新聞社