( 326848 ) 2025/09/24 05:13:28 0 00 今年の新米価格について話す乗富氏(22日、福岡県筑紫野市で)
全農福岡県本部(JA全農ふくれん)の乗富幸雄・運営委員会会長は22日の記者会見で、今年の新米価格について「ずいぶん高いが、資材価格も上がっている」と述べ、消費者に理解を求めた。価格高騰や外国産米の流通の影響で売れ行きが昨年より鈍いことから、「コメが残らないよう、需要開拓の努力をしなければならない」とも訴えた。
今月から流通が本格化した県産米を巡っては、昨年のコメ不足を受けたJAと民間業者の仕入れ争いから店頭価格が昨年の1・5倍以上の5キロ5000円前後(税込み)に上がっている。JA全農ふくれんは、価格高騰に伴って業務用で外国産米への切り替えが進み、全国で在庫が増えれば、現在の価格帯で販売できるかは不透明とみている。
農林水産省は、2025年産米の増産により、民間在庫が適正水準を上回る見通しを示している。乗富氏は在庫リスクについて「心配はある。そうならないよう、コメ自体の消費を増やしたい」と話した。
コメの価格について、生産者からは「原価についても知ってもらいたい」との声が上がる。
収穫前の水田の前で「原価についても知ってほしい」と訴える藤井さん(22日、福岡県筑紫野市で)
福岡県筑紫野市の16ヘクタールでコメ作りを営む農事組合法人「西小田」の藤井徳浩さん(65)は「燃料代、資材代も高騰しているが、原価が公表されないままコメの価格ばかりが注目されている」と訴える。稲刈りに必要なコンバインは1台約2000万円で、大規模な投資も必要だが、機械類も価格が年々上がっているという。
また、1990年代に5キロ3500円程度だったコメの価格が2000年代以降に大きく下がったことを挙げ、「ほかのモノが値上がりする中で、ようやくコメの価格も戻ってきたと捉えている。その中で、コストは増えてきた。そのことを納得して購入してもらえればありがたい」と話していた。
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