( 327101 )  2025/09/25 05:16:29  
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日本銀行は2023年6月末時点で、家計の金融資産が過去最大の2239兆円に達したと発表しました。

現金・預金は18年半ぶりに減少し、投資信託や株式は増加傾向にあります。

この背景にはキャッシュレス化やNISAの普及があり、特に投資信託は約140兆円、株式は約294兆円に達しました。

日本の金融資産の約半分は依然として現金・預金で、他国と比較しても高い割合です。

最近のインフレが影響し、タンス預金も減少しています。

永濱氏は投資を始める上で、リスク許容度を理解し、資産を管理することの重要性を強調しました。

また、投資は自己責任であることも指摘され、特に時間を味方に付けることが大切だと述べています。

(要約)

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家計の金融資産が過去最大の2239兆円に 

 

日本銀行は今年6月末時点で、家計が保有する金融資産の残高が過去最大の2239兆円になったと発表しました。内訳を見ると現金・預金は18年半ぶりに減少し、投資信託や株式等は堅調に増加。日本人の資産はようやく、貯蓄から投資に流れ始めたのでしょうか。第一生命経済研究所・主席エコノミストの永濱利廣氏が解説します。 

 

日銀の資金循環によると、今年4~6月期の家計の金融資産のうち、現金・預金は前年同期比で0.1%減っています。現金・預金が減ったのは18年半ぶり。永濱さんは「キャッシュレス化の進展や、投資に資金がシフトしたことがある」と分析します。 

 

一方で、家計における投資信託は前年同期比で9.0%増加し、約140兆円に達しました。株式等も前年同期比で4.9%増の約294兆円に。金額はいずれも過去最大です。NISAの普及が原因の一つだと永濱さんは指摘します。NISAの口座数は毎年増え続け、今年3月末で約2647万口座となっています。 

 

日本人の金融資産の約半分が現金・預金 

 

日本では金融資産における現金・預金の割合が他の先進国よりも高い状態が続いています。日本、ユーロ圏、米国の家計の金融資産構成(今年3月末時点)を比べると、日本では約半分が現金・預金、投資信託は6.0%、株式等は12.2%です。これに対して米国では現金・預金の割合は11.5%ほどで、株式等が全体の4割以上を占めています。 

 

永濱さん:日本も最近、金融教育を始めていますが、海外では小さい頃から金融教育が進んでます。日本はバブル崩壊で長らく株価が停滞していたこともあり、過度に投資におそれを抱いてる人も多いと思います。 

 

そんな日本でもここ数年のインフレと物価高で、タンス預金が減少に転じました。日銀のデータをもとに第一生命経済研究所が推計したところ、去年3月に約53兆円あったとされるタンス預金は、今年3月には約51兆円と約2兆円減っています。永濱さんは「タンスにお金を眠らせるよりも、お金を働かせる方が良いとようやく気づいた」といいます。 

 

 

自分のリスク許容度を知って投資を 

 

貯蓄から投資への流れがようやく見え始めた日本。投資の心得として、永濱さんは「自分がどこまでの損失に耐えることができるか(リスク許容度)を知ってほしい」と呼びかけます。 

 

当然のことながら、投資では損失が出ることも想定する必要があります。永濱さんは「自分の資産のうち投資に回せるのはどれぐらいの割合か」「すぐに使うお金での投資は控える」「半年分の生活費を確保したうえで投資する」といったことを注意点として挙げています。 

 

永濱さん:最近は「NISA貧乏」という言葉があります。これは、自分の生活を切り詰めて投資にお金を回してる状態をいいます。さすがにそれはやりすぎなので、余ったお金のうち一部を投資に回していくというやり方が一番安定していると思います。 

 

第一生命経済研究所・主席エコノミストの永濱利廣さん 

 

「時間を味方につけること」も投資の重要なポイントだと永濱さんは指摘します。 

 

永濱さん:株価が下がっても、そこで売らなければ損失は出ません。株価が上がるまで待つことのできる時間的余裕が必要です。 

 

(Q年齢によって投資の仕方は変わってくる?) 

永濱さん:将来の時間を長くとれる人であれば、ある程度高いリスクをとって投資に回してもいいと思います。一方で年齢を経てくると、貯蓄に回せるお金は増えるかもしれませんが、時間を味方につけにくくなります。そういう方は投資の比率を下げる、もしくはリスクが少ない投資対象を選ぶといったバランスが必要になると思います。 

 

永濱さんは「投資は自己責任。短期的な落ち込みを気にする人は向いていない」と話します。 

 

永濱さん:今年4月にトランプ関税の影響で日経平均株価が3万円台前半ぐらいに下がりました。でも結局、持ち続けていれば株価は上がってきたわけです。積立型の投資であれば、株価が下がったときには安く買えるというメリットもあります。どのタイミングであれ、いかに早く始めるかが重要ですし、リスクも少なくなります。 

 

(「newsおかえり」2025年9月22日放送分より) 

 

 

 
 

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