( 328766 )  2025/10/02 05:14:38  
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小泉進次郎農水相は、自民党総裁選で首位を維持していたが、選挙中盤で能力不足が明らかになると同時に「ステマメール」騒動に巻き込まれた。

週刊文春によると、小泉陣営のスタッフが動画配信サービスに対して小泉氏を称賛するコメントを依頼したことが報じられ、当事者である牧島かれん氏は謝罪した。

小泉氏はこの件について、牧島氏の独断での行動だと説明し、責任を回避する姿勢を見せた。

しかし、内部では他の議員の関与もあるとの指摘があり、選挙戦の公正性に疑念が生じている。

自民党関係者は、小泉氏の対応が従来の政治手法と変わらないと批判している。

選挙が進む中、彼の指導力と判断力が問われる状況となっている。

(要約)

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小泉進次郎農水相 

 

 自民党総裁選のスタート直後から首位を独走していた小泉進次郎農水相(44)だが、選挙戦の中盤以降は能力不足が露呈し、「ステマメール」騒動も追い打ちをかけた。しかしこの騒動、明らかにされていない「ウラ」があるようで……。 

 

 *** 

 

 政治部デスクが言う。 

 

 9月25日発売の「週刊文春」が、小泉陣営で『総務・広報班』班長の牧島かれん元デジタル相(48)の事務所が小泉陣営関係者に対して、動画配信サービス『ニコニコ動画』への小泉氏を称賛するコメントや他候補を誹謗中傷するようなコメントの投稿を依頼する内容のメールを送ったと報じました。同日、小泉選対幹部もおおむね“ステマ要請”を認めたのです」 

 

 牧島氏は9月26日、文書で〈私自身の確認不足により、一部いきすぎた表現が含まれてしまった〉と陳謝。同日、小泉氏も牧島氏の事務所が独断でメールを送信したと弁明した。その後、小泉氏は牧島氏に対して殺害予告等が寄せられていると説明。「本人も身の危険を感じている」と、牧島氏の「総務・広報班」班長辞任を明かしたのである。 

 

 本誌(「週刊新潮」が入手した実際のメールを見ると、 

 

〈YouTubeのコメント欄は閉じますので、【応援コメントは、ぜひニコ動】からお願いいたします!〉 

 

 と、“選挙のサクラ”を募る内容が記されていた。“ステルス・マーケティング(ステマ)にあたるのではないか”と批判されたゆえんである。 

 

 メールは、9月20日の出馬会見の前日、複数の小泉陣営の議員及び秘書に一斉に送信されていたという。 

 

 自民党関係者が打ち明ける。 

 

「牧島さんだけが泥をかぶる形になっていますが、そもそも彼女はあの文面を一から作成してはいません。小林史明衆議院議員(42)の事務所スタッフが原案を牧島事務所に送ったんです。原案には、“ビジネスエセ保守”という言葉以上にキツい文言が複数含まれていたといいます。牧島事務所はそれらを削って、議員や秘書などの陣営関係者に送信したと聞いています」 

 

 小林氏は小泉氏と個人的に親しい間柄で、前回の総裁選でも小泉陣営の中心的なメンバーだった。今回の選対の組織図では「全体総括班」の事務局長代理の役割を担う。「総務・広報班」班長の牧島氏は、小林氏の指示を仰ぐ立場であった。 

 

「応援コメントの原案には、選対に出入りしている選挙プランナーの男性が関与したといわれています。メールに記された『専門家』は彼のことです。小泉氏の説明とは裏腹に“ステマメール”の作成・送信は牧島事務所の独断などではなくて、陣営の中枢が関わっている可能性もあるのではないでしょうか」(同) 

 

 当の小林氏に聞くと、 

 

「知らないっすね」 

 

 と、繰り返すのみ。後に、文書ではこう回答を寄せた。 

 

〈私の事務所が本事案に深く関与していたとの事実は全くなく〉 

 

 と、しながらも、 

 

〈当該スタッフに改めて確認したところ、ご指摘の事案の作業メンバーにも入っていたとのことではありましたが、ご指摘の事案は、他の支援議員から牧島議員の事務所に問い合わせがあったことに対し、牧島事務所の判断で参考例をお送りした際、確認不足により一部行き過ぎた表現が含まれてしまったものであると承知しております〉 

 

 小林事務所のスタッフが〈作業メンバー〉に入っていたことは認めるのだ。 

 

 また、選挙プランナーの男性も、原案作成への関与自体は否定しながら、こう言う。 

 

「これはステマではありませんよ。(牧島事務所は)お金を払ってコメントの投稿を依頼していません。議員と秘書の求めに応じて、応援のための例文を送ったわけだから」 

 

 

 牧島事務所からは期限までに回答がなかった。 

 

 そこで9月29日、都内の老人ホーム視察後の小泉氏に直接、話を聞いた。 

 

――「ステマメール」は陣営全体でやった?  

 

「そういった報告は受けていません。選対は加藤勝信本部長にお任せしていますが、問題が起きた時の最後の責任は私にあります」 

 

――詳しい現状を把握していないのでは?  

 

「報告を受けた上で、今回これは私のことを応援してくださっている議員の事務所の方で対応された中で、一部行き過ぎた表現があったことを確認しています」 

 

 あくまでも、牧島事務所の判断で行ったとの立場を崩さないのである。 

 

 前出の自民党関係者が嘆く。 

 

「小泉さんは出馬会見で“解党的出直し”を訴えていたはずです。ところが今回の対応は、まさに旧来の自民党政治が繰り返してきた“トカゲの尻尾切り”にほかなりません。牧島さんのせいだけにするのは問題だと思います」 

 

 10月2日発売の「週刊新潮」では、猛追を見せる林芳正官房長官(64)の動向などと併せ、総裁選レースの裏側、そして新総裁を待ち受ける“難題”について詳しく報じる。 

 

「週刊新潮」2025年10月9日号 掲載 

 

新潮社 

 

 

 
 

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