( 329536 )  2025/10/05 05:30:46  
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自民党総裁選で、候補者たちが「給付付き税額控除」の導入を検討している。

これは、所得税の減税と給付を組み合わせた制度で、低・中所得者への支援が強化される利点がある。

具体的には、納税状況に応じて給付が行われ、少ない納税額の人ほど恩恵を受けやすい仕組みとなっている。

同様の制度は欧米各国でも実施されており、具体例としてアメリカの子育て支援やドイツの児童手当などが挙げられる。

自民党内でも制度設計に向けた議論が行われているが、公平性の担保や財源確保などの課題が残っている。

(要約)

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(写真:読売新聞) 

 

 自民党総裁選で、複数の候補が「給付付き税額控除」の導入を検討する考えを示した。所得税の減税と給付を組み合わせた制度で、一律の減税や給付より、低・中所得者に支援が届きやすい利点がある。 

 

 例えば、負担軽減額が10万円の場合、〈1〉納めるべき所得税額が10万円の人は納税が免除される〈2〉所得税額が5万円の人は納税が免除され、さらに5万円の給付を受ける〈3〉所得税が非課税の人は10万円が給付される――という仕組みだ。減税しきれない分を給付で補うことで、納税額が少ない人ほど恩恵を感じやすい。 

 

 同様の制度は欧米でも導入されている。米国は、勤労意欲の向上と子育て世帯の負担軽減を目的に、子供が多いほど軽減額は大きい。夫婦と子供2人の世帯では、給与所得が年間3万ドル(約440万円)で、軽減額は約1万ドル(約150万円)となる。所得が増えれば、軽減額が減り、最終的に支援対象から外れる。 

 

 ドイツでは、18歳未満の子供か、25歳未満の学生を養育する世帯が対象。子供1人あたり年間3060ユーロ(約50万円)の児童手当の支給か、年間9600ユーロ(約170万円)の減税の有利な方が適用される。 

 

 総裁選では、高市早苗・前経済安全保障相が制度設計の着手を公約に掲げた。7月の参院選では立憲民主党が導入を訴えており、自民、公明、立民の3党は9月19日の党首会談で、制度設計に向けて協議を進めることで合意した。小林鷹之・元経済安保相と小泉進次郎農相は「協議を引き継ぐ」と明言している。 

 

 ただ、実現には課題も多い。日本では収入や資産を網羅的に把握する仕組みがなく、公平性を担保することが難しい。納税額は少ないが、多額の資産を持つ人を支援対象にした場合、批判が高まる可能性がある。制度設計には数年かかるとみられ、恒久的な財源の確保も必要となる。 

 

 

 
 

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