( 329606 )  2025/10/06 03:05:42  
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自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に就任し、石破首相の政策路線に影響を与える可能性がある。

高市氏は石破首相が発表を目指している戦後80年のメッセージについて「必要ない」としており、両者の姿勢には違いが見られる。

石破首相はリベラルな外交や政策に前向きだが、高市氏は保守的な信条を強調している。

高市氏は石破首相の政策をどの程度引き継ぐか不透明であり、首相は高市氏との相談の上でメッセージを発表する方向を検討している。

「高市氏に迷惑をかけない範囲で発表したい」との意向も示されている。

(要約)

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自民党総裁選が終わり、笑顔で健闘をたたえ合う高市早苗新総裁(右)と石破首相(4日、党本部で)=伊藤紘二撮影 

 

 保守的な政治信条を掲げる高市早苗氏が自民党総裁に就任したことで、石破首相の政策路線は修正を余儀なくされそうだ。首相が退任前の発表に意欲を示す戦後80年のメッセージについては、高市氏は「必要ない」と明言しており、調整に難航する可能性がある。 

 

 4日の党総裁選直後、首相公邸で記者団の取材に応じた首相は、「自分たちだけが正しいと言っていても物事は決まらない。どうやって『リベラル』や寛容さを持って、ことに当たるか(が大事だ)」と述べた上で、「この厳しい国際情勢の中、わが国を間違えない方向に導いていただきたい」と高市氏に注文を付けた。 

 

 アジア外交を重視し、選択的夫婦別姓制度の導入にも前向きな考えを示したことがあるなど、首相はリベラル色が強く、高市氏の政治的スタンスは対極にあると言える。 

 

 首相は総裁選の投票先を明らかにしていないものの、選挙前には「この1年間共に汗をかき、基本的な政策を引き継いでくれる方が選ばれることがあればいい」と強調し、林官房長官や小泉農相への期待感をにじませていた。 

 

 高市氏が総裁選後のあいさつで、首相肝いりの「防災庁設置」や「地方創生」に言及し、「大きな道を開いてくれた」と持ち上げたのは、首相側の不信感を意識しているためとみられる。だが、高市氏が首相に就任した後、農政改革など石破路線をどこまで継承するかは不透明だ。 

 

 戦後80年のメッセージを巡り、高市氏は必要ないとの立場を取る。総裁選勝利を支えた保守派が、「戦後70年の安倍首相談話で歴史認識には終止符を打った」と反発しているためだ。 

 

 石破首相は高市氏と相談の上で、首相退任前に記者会見し、メッセージを発表する方向で検討している。5日も首相秘書官らと対応を協議した。首相周辺は同日、「高市氏に迷惑をかけない範囲で発表したい」と語った。 

 

 

 
 

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