( 330366 )  2025/10/09 03:52:34  
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スウェーデン王立科学アカデミーは、2025年ノーベル化学賞を、二酸化炭素などの気体を効率よく分離・貯蔵する技術を開発した京都大学の北川進特別教授を含む3人の研究者に授与すると発表しました。

北川氏は74歳で、これにより日本人のノーベル賞受賞者は30人目となり、京都に関連する受賞者は17人に達しました。

受賞者には約1億7千万円の賞金が贈られ、授賞式は12月10日にストックホルムで行われます。

北川氏の研究は、気体の吸着や温室効果ガス削減への応用が期待されています。

北川氏は京都市出身で、多くの研究賞を受賞してきた経験があります。

(要約)

( 330368 )  2025/10/09 03:52:34  
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ノーベル化学賞の受賞が決まり、記者会見で笑顔を見せる北川進京都大特別教授(8日午後8時17分、京都市左京区・京都大) 

 

 スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2025年ノーベル化学賞を、二酸化炭素(CO2)などの気体を自在に分離・貯蔵する多孔性金属錯体(PCP)を作製した京都大理事・副学長で京大特別教授の北川進氏(74)ら3人に贈る、と発表した。 

 

 日本のノーベル賞受賞は、6日に生理学・医学賞に選ばれた坂口志文氏に続き30人目。化学賞は19年の吉野彰氏に次いで9人目となる。日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹をはじめ京都にゆかりのある受賞者は北川氏で17人になった。 

 

 受賞者には賞金計1100万クローナ(約1億7千万円)が贈られる。授賞式は12月10日にスウェーデン・ストックホルムで行われる。 

 

 活性炭や鉱物のゼオライトなどたくさんの微細な穴が開いた多孔性材料は、表面積が大きく、さまざまな気体を吸着できる。北川氏は金属イオンと有機物の結合を利用し、ナノメートル(ナノは10億分の1)サイズの微小な穴が無数に開いたジャングルジムのようなPCPを作った。特定の気体を吸着でき、CO2など狙ったガスだけを分離、貯蔵する技術の実用化に道を開いた。 

 

 研究成果は、青果の熟成を遅らせるガスをPCPに貯蔵して鮮度を保ったり、危険ガスを安全に輸送したりする技術への実用化が進んでいる。大気中や工場の排気に含まれるCO2を捕捉する温室効果ガス削減の分野をはじめ、化学反応を促進する触媒やガスセンサーなどへの応用も期待されている。 

 

 北川氏は京都市出身。1974年京都大工学部石油化学科卒、79年同工学研究科博士課程修了。近畿大理工学部助手、助教授を経て、92年に東京都立大理学部教授。98年に京大工学研究科教授、2013年に京大物質-細胞統合システム拠点拠点長に就いた。17年から京大特別教授。24年4月から京大理事・副学長、25年1月から京大総合研究推進本部長。 

 

 09年に日本化学会賞、11年に紫綬褒章、京都新聞大賞文化学術賞、13年に江崎玲於奈賞、16年に日本学士院賞をそれぞれ受けた。25年に京都府文化賞特別功労賞。 

 

 

 
 

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