( 330906 )  2025/10/11 04:30:18  
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国民民主党の玉木雄一郎代表は、政局の変化を背景に首相指名選挙での野党統一候補としての役割が期待されている。

しかし、玉木氏は自身の立場に後ろ向きであり、立憲民主党が提案した首相候補としての受け入れに消極的な姿勢を示している。

他方、自民党の高市早苗氏は彼に接近しており、国民民主党との連携の可能性を探る一方で、玉木氏の支持基盤である連合は自民との連立を警戒している。

さらには、玉木氏が首相に就任することへの疑念や反対意見も多く、野党内でのまとまりに問題が指摘されている。

この状況下で、他の野党幹部が玉木氏からの離脱を考慮し、新たな戦略が模索される可能性もある。

 

 

(要約)

( 330908 )  2025/10/11 04:30:18  
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国民民主党・玉木雄一郎代表 

 

 公明党が自民党との連立離脱を決断し、政局が揺れている。最大野党の立憲民主党は混乱に乗じ、日本維新の会と国民民主党を巻き込んで首相指名選挙で「玉木雄一郎首相」を誕生させようとする奇策を提案した。しかし、半年前に「首相を目指している」と息巻いていた玉木氏本人は、なぜか及び腰だ。 

 

 代わりに、まさかの人物を担ぎ上げるべきだとする仰天案も浮上している。 

 

■立憲民主党「野田佳彦代表にはこだわらない」 

 

 自民党の総裁選では高市早苗氏が勝利し、初の女性首相誕生が確定的と思われた。 

 

 しかし、高市氏の右派的な主張に警戒感を示した公明党は靖国神社参拝や外国人排斥、企業団体献金に注文をつけ、連立協議は難航。斉藤鉄夫代表は2025年10月10日、高市氏との会談で連立離脱の方針を伝えた。首相指名選挙では高市氏の名前を書かず、選挙でも協力しないという。 

 

 自民党と公明党がたもとを分かつことで、首相指名選挙で野党が結託して統一候補を立てれば、まさかの政権交代が起きる可能性が浮上している。 

 

 この状況に反応したのが、立憲民主党だ。公明党の連立離脱に先立ち、安住淳幹事長は首班指名で、 

 

「野田佳彦代表にはこだわらない。玉木さんも有力候補と考えている」 

 

との考えを示し、国民民主党の協力を求めてきた。さらに総裁選で小泉進次郎氏の勝利による連立入りを当て込んでいた日本維新の会も、この案を評価していた。 

 

 だが、この提案に国民民主党の榛葉賀津也幹事長は「憲法、安全保障、エネルギーで決定的に考えが異なる。数合わせで一緒の行動を取ることは考えていない」と否定的な考えを示した。急に神輿に担ぎ上げられる形となった玉木氏も9日、記者団に「基本政策の一致は不可欠で、(立民とは)まだまだ大きな隔たりがある。なかなか現実的な話にはならない」と消極的だった。 

 

 そんな玉木氏に対し、秋波を送るのが自民党だ。8日に高市氏は玉木氏と会談し、所得税の非課税枠「年収の壁」の引き上げ、ガソリン税の旧暫定税率の廃止に同意する姿勢を示した。公明党との連立協議が難航していた時期で、国民民主党との連立の可能性に含みを持たせるような動きだった。 

 

 これに対し、国民民主党の支持母体である連合は、自民党との連立への動きを牽制。芳野友子会長は8日の記者会見で連立入りに対してこう釘を刺した。 

 

「容認できないスタンスに変わりはない」 

 

 

 玉木氏は2025年5月に朝日新聞のインタビュー記事で、参院選後に首相を目指すかを問われ 

 

「もちろん目指している」 

 

と即答していた。せっかく転がり込んできた首相の座に就くチャンスを前に逃げ腰になっている態度に、呆れる反応も目立っている。 

 

 ジャーナリストの江川紹子氏は自身のXで、皮肉を込めた。 

 

「首相になり政策を実現する機会を前にして、それを取りに行こうとせず、こんなにも後ずさりし、その機会から懸命に逃れようとする党首って、かつていただろうか...」 

 

 国民民主党は、参院選で党勢を拡大したといっても、まだ結党5年の小規模野党だ。玉木氏本人も閣僚経験がなく、政権を任せたところで機能するかどうかを疑う見方も根強い。SNS上では、「だいたい野党側でまとまって政権運営できるかよ」「閣僚経験のない人に首相やらせるの、クラスの陰キャに演劇の主役をやらせるイジメに似てるよね」との声が上がっている。 

 

 政治学者の山口二郎氏はXで「最初は玉木に対するいやがらせで始まった話かと思ったが、玉木首班は与党過半数割れの国会では現実味を帯びる。だからこそ、究極のいやがらせになる」と、この動きを分析。その上で「それを反転させて、情報公開、金権政治の打破だけでも実現すると言って立ち上がったら、玉木はヒーローになれるだろう」と期待を寄せた。 

 

 玉木氏が逃げ腰となっていることを受け、SNS上では高市氏の首相就任を阻止するための策として、野党は首相指名選挙で石破茂首相の名前を書くべきだという珍案も浮上した。 

 

 かつて小泉進次郎氏に「知的レベルの低さ」の質問をぶつけたことで知られるジャーナリストの田中龍作氏は自身のXで「玉木から蹴られたのであれば、野党は石破を担げばよい。自民党の反高市勢力が同調してくる可能性があるから」と提案。 

 

 実際に1979年には「四十日抗争」と呼ばれた自民党内の派閥抗争で、首相指名選挙で同じ自民党から大平正芳氏と福田赳夫氏の二人が推されたという前例もある。 

 

 

 
 

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