( 331263 ) 2025/10/12 06:07:37 0 00 はさみで切って返却するよう指示があった大阪ヘルスケアパビリオンのユニホーム
13日の閉幕まで残りわずかとなった大阪・関西万博で、スタッフユニホームの返却時のルールを巡って波紋が広がっている。大阪府市などによる大阪ヘルスケアパビリオンでは、回収時にはさみなどで切った上で返却するよう指示があったという。すでに回収は始まっており、多くのスタッフから「一生懸命活動して思い出がいっぱいあるユニホームなのにつらすぎる」と悲しみや驚きの声が上がっている。
同館では、アテンダントスタッフ約120人を対象にユニホームを貸与。当初から会期終了後のリサイクルが想定されていたが、先日になって突然、カバンと靴以外をはさみなどで切って返却するよう指示があったという。理由について同館は「一斉に回収するわけではないので、回収時にリサイクル品であることを明示するため」と説明する。
ただ、大切にしていたものを自ら傷つけることに抵抗を感じたり悲しんだりする人が出るのは想像に難くない。そうしたスタッフの心境については「もともと貸与品で本人のものではない。回収期間が短いこともあり、運営をスムーズに進めるための処置として理解いただければ」とし、現場と運営側との温度差が浮き彫りになった。
スタッフの一人は「指示を聞いて衝撃だった。周りの人も『えーっ』と言って困惑していた。理由もわからないし納得がいかない。悲しくてまだはさみを入れられないでいる」と話す。仕事の区切りとして受け入れる人もいるが、万博が好きでパビリオンの仕事に就いた人が多いため、スタッフの間に動揺が広がっている。
ユニホームに愛着を感じるスタッフから「記念にほしい」という声も出ているが、「対応できない」という。見本品などの一部は万博の記念イベント用などに保存される見込みだ。
他のパビリオンでは、ガスパビリオンは回収してユニホームの制作会社へ返却後にリサイクルへ出すため、希望しても配布はない。一方で、関西パビリオンの一部は本人の希望により回収と配布のどちらかを選択でき、ドイツ館も取り扱いは自由という。(北村博子)
|
![]() |