防衛省によると、能登半島地震で自衛隊が約480人を救助し、そのうち約310人が航空機で救出された。

これは熊本地震の際の7%を上回る数字であり、特に道路の寸断により孤立した地域ではヘリコプターの救助が重要だった。

空自の内倉浩昭・空幕長は、救助隊員が着陸可能な場所を見つけるのに苦労したことや、ヘリの回転翼が吹き下ろす風による危険を回避する努力をしたことを明らかにした。

能登半島の自衛隊拠点は北部の輪島分屯基地だけであり、元日には隊員が1000人の住民を受け入れた。

内倉氏は、電池式の拡声機やリヤカーが救助活動で役立ったことを説明している。

（要約）

防衛省 

　能登半島地震で自衛隊が１月１～８日に救助した約４８０人のうち、６割を超える約３１０人がヘリコプターなどの航空機で救出されたことが防衛省の集計でわかった。熊本地震では航空機で救助されたのは７％だった。今回の地震では、半島北部が道路の寸断により「陸の孤島」と化しており、ヘリによる救助の重要性が改めて浮き彫りになった。 

　航空機による救助について、空自トップの内倉浩昭・空幕長は今月１５日の定例記者会見で、ヘリ部隊の隊員が「着陸できる場所を見つけるのに大変苦労した」と語った。内倉氏は「上空からは平らに見えても、着陸場所の地面がヘリの重さに耐えられるか判断は難しい」とし、隊員はヘリの回転翼が吹き下ろす風（ダウンウォッシュ）でがれきを飛ばす危険がない場所や、ロープで安全に降下できる場所を慎重に探したと説明した。 

　能登半島の北部にある自衛隊の拠点は、輪島分屯基地だけだ。元日は約４０人の隊員が１０００人の住民を基地内のグラウンドに受け入れた。 

　内倉氏は、誘導には電池式の拡声機が有効だったとし、あちこちで陥没が起きた基地内では、被災者に配る毛布や水の運搬にリヤカーが役立ったことも説明した。